終わらない旅路へと誘う、
断片的な映像とまなざしの多重層。
この映画は、新しいコミュニケーションの方法である。
※『#まなざしのかたち』の一部の映像を別のバージョンとして再編集した映像作品
東京ドキュメンタリー映画祭2021の紹介文より
多重層的ドキュメンタリー映画『#まなざしのかたち』とは?
旅に魅了されることは、みな少なからずあると思うが、今日において「場所=place」を移動することだけが旅なのではない。私たちは自分たちで撮影・編集したイメージをSNSなどで共有し、日々ネット上のイメージを介して、さまざまな「場所=site」を旅している。
『#まなざしのかたち』は、映像を活かした新しいコミュニケーションの方法を提示する作品である。
アフリカや東南アジアへの旅路を記録した映像を見ながら、あなたがあなた自身の旅を創造していく。そのはじまりを想起させる旅路には、そこに映り込んでいる世界を積極的に見ようとすることから生まれる創造性が賭けられているのだ。
本作では、農学者の田中樹と文化人類学者の清水貴夫の調査地であるタンザニアやケニア、ブルキナファソ、セネガル、ベトナム、日本などにおける人間活動がさまざまな視点から記録されている。加えて、その記録された映像を鑑賞する者の声が多重層的に交わり、世界の複合性を織り成している。
この映画は、彼ら研究者の活動を紹介する記録であるとともに、あなたを新たな旅路へと誘引するための時間ともなるだろう。そして、あなたが想起するイメージに「#まなざしのかたち」を付与することで、この映画もまた、別様の可能性へと開かれていく・・・。
『#まなざしのかたち』とは、いつまで経っても完成しきらず、試行錯誤するプロセスを記録した映像の断片で、それらの断片的な映像をどのように見るのか、と考えるプロセスもまた作品の一部であるかのような表現の「場所=site」なのだ。
この映画は、結末へと収斂することのない「人間の生そのもの」に関わる「場所=site」なのである。
澤崎 賢一
2021年11月23日
公開情報
2022年5月8日(日) 17:00~
展覧会「バーチャル世界の食卓」(KYOTOGRAPHIE KG+) 関連企画
映画『#まなざしのかたち』(English subtitled)上映会&トークイベント
★西アフリカの古代雑穀「フォニオ」を使ったスペシャルメニューも食べられます!
@soco Kyoto 〒602-0862 京都府京都市上京区出水町260
※登壇者:澤崎賢一(アーティスト/映像作家)×清水貴夫(文化人類学者/京都精華大学 准教授)
料金:2,000円
主催:一般社団法人リビング・モンタージュ
共催:Soco Kyoto
協賛:SOCOフーズ株式会社
チケット情報:https://soco-manazashi.peatix.com/
2022年3月5日(土) 14:10~
東京ドキュメンタリー映画祭 in OSAKA 2022
@シアターセブン 〒160-0022 大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5階
一般 1,300円 / シニア 1,100円
学生 1,000円 / 小学生以下 700円
会員 1,000円
主催:neoneo編集室
チケット情報:https://tdff-neoneo.com/osaka/access/
2021年12月13日(月) 11:40〜
東京ドキュメンタリー映画祭「長編コンペティション部門」
@新宿ケイズシネマ 〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目35-13 3F
※監督の舞台挨拶あり
料金:1,500円
主催:neoneo編集室
チケット情報:https://tdff-neoneo.com/access/
2021年12月11日(土) 14:00〜
13:30開場、14:00上映スタート
澤崎賢一 多重層的ドキュメンタリー映画『#まなざしのかたち』上映会
@THEATRE E9 KYOTO 〒601-8013 京都市南区東九条南河原町9-1
※アフタートーク・ゲスト:高橋 悟(美術家/京都市立芸術大学美術学部 教授)
料金:一般 1,800円、学生 1,300円
主催:一般社団法人リビング・モンタージュ
共催:京都精華大学アフリカ・アジア現代文化研究センター 研究プロジェクト「研究者とフィールドの「あいだ」で映像メディアを活用した新たな創造性」
助成:京都府文化力チャレンジ補助事業
お申し込みフォーム:https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20211211
※最下部に申込みフォームがあります。
※満席になり次第、受付は終了します。
2021年11月27日(土) 13:30〜
13:00開場、13:30上映スタート
澤崎賢一映像作品「#まなざしのかたち」プレミアム試写会
@soco Kyoto 〒602-0862 京都府京都市上京区出水町260
※アフタートーク・ゲスト:清水 貴夫(文化人類学者/京都精華大学 准教授)
料金:一般 1,500円
主催:一般社団法人リビング・モンタージュ
共催:soco Kyoto
申込みフォーム:https://livingmontage.com/application/
※満席になり次第、受付は終了します。
澤崎 賢一(さわざき・けんいち)
1978年生まれ、京都/高知在住。アーティスト/映像作家。一般社団法人リビング・モンタージュ代表理事。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程修了。博士(美術)。ヨーロッパ・アジア・アフリカで、研究者や専⾨家たちのフィールド調査に同⾏し、映像/写真メディアの使い方を工夫しながら、他者との関係から新しい発見を生み出すための方法を探求している。また、映像メディアを活かした学際的活用の基盤となるプラットフォーム「暮らしのモンタージュ」を企画・運営する。
近作に、ふくだぺろ、澤崎 賢一、べ・サンスンによる展覧会「語りあう/あわないイメージたち」(Tosei Kyoto Gallery, 2021年, KYOTOGRAPHIE KG+オフィシャルプログラム)、劇場公開映画『動いている庭』(85分、2016年, 第8回恵比寿映像祭プレミア上映)などがある。
個人サイト:https://texsite.net
田中 樹(たなか・うえる)
1960年生まれ。摂南大学農学部食農ビジネス学科 教授(環境農学研究室)、ベトナム・フエ大学名誉教授。京都大学博士(農学)。専門は、環境農学、土壌学、地域開発論。アフリカやアジアの在来知から、人びとの暮らしと資源・生態環境の保全が両立するような技術や生業を創り出し、「ヒトも自然も」を可能にする新たな開発パラダイムを探る研究に取り組む。第25回日経地球環境技術賞(優秀賞、2015)、第41回日立環境財団環境賞(環境大臣賞および優秀賞、2014)など多数。
活動紹介ページ:https://livingmontage.com/educational-resource/ueru_tanaka/
清水 貴夫(しみず・たかお)
1974年生まれ。京都精華大学国際文化学部 准教授、総合地球環境学研究所客員 准教授。大学生時代からアフリカに通い始める。ラグビーで鍛えた胃を武器に、アフリカ、日本で食べまくっている。グルメ(美食家)<グルマン(大食漢)であるが、好きが高じて『ブルキナファソを喰う!:アフリカ人類学者の西アフリカ食のガイドブック』(あいり出版, 2019)を出版。本当は違うことが専門だったが、いつの間にか食文化の研究者のような扱いをうけ、本人もなんとなくそれを認め始めている。
活動紹介ページ:https://livingmontage.com/educational-resource/takao_shimizu/
クレジット
作品名 | #まなざしのかたち |
時間/制作年 | 124分/2021-22年 |
撮影地 | ブルキナファソ、タンザニア、ケニア、ベトナム、セネガル、日本 |
監督・撮影・録音・編集・製作 | 澤崎 賢一 |
企画・製作 | 一般社団法人リビング・モンタージュ |
出演 | 田中 樹, 清水 貴夫, 須田 征志, 宮嵜 英寿, Julien Sawadogo(Tilmnenga), Aboudulaye Ouedraogo Lamin, Zakaria, Hamidou Sawadogo(Imam), Ahamed(Rastafarian), Baay Fall Ndem Jeremiah Saitabau Tanin, Benedict P. Mapunda, Jacob B. Chadibwa, Oumarou Ouedraogo |
コメンタリー | Habaco, mon |
撮影 | 田中 樹, 清水 貴夫, 須田 征志, Lamin, Zakaria |
カラーグレーディング | 苅谷 昌江 |
音響調整 | 岡本 遼 |
謝辞 | 高橋 悟, 石橋 義正, 佐藤 知久, 井上 明彦, 長谷 正人, Melanie Jackson, Johnny Golding 溝口 大助, 手代木 功基, Benoit Hazard, Christin Adongo, 高木 佳子, Huynh Thi Thuy Tien 京都市立芸術大学, 総合地球環境学研究所, 一般財団法人 地球人間環境フォーラム, 風人土学舎 京都精華大学 アフリカ・アジア現代文化研究センター, 摂南大学, Royal College of Art |
助成 | 公益財団法人 トヨタ財団, 公益財団法人 日本文化藝術財団, 公益財団法人 野村財団 文化庁「⽂化芸術活動の継続⽀援事業」 |
関連書籍、映像
澤崎賢一「暮らしのモンタージュ:フィールド研究の余白」
対話型学術誌『といとうとい』Vol.0
京都大学 学際融合教育研究推進センター, 2021, pp.82-89
多くの研究者が実際に現地におもむき海外の生活を直接体感するフィールドワークを行なっている。ただし成果物である論文に収まらない「余白」にこそアカデミアを更新する「体験」が潜んでいるのではないか?映像作家として活躍する著者が、研究者の体験がもつ価値に新しい視座を与える自身の手法について考察する。
★対話型学術誌『といとうとい』特設サイト
http://www.cpier.kyoto-u.ac.jp/project/toitoutoi/
澤崎賢一「フィールドの「余白」にあるもの」
田中樹・宮㟢英寿・石本雄大編
『エッセイ集 フィールドで出会う風と土と人6』、摂南大学、2021、pp.27-32
澤崎は、アカデミックな文脈では研究成果の「余白」として周縁に位置づけられやすいフィールドの「潜在性」を映像メディアによって記録し、その可能性を学術メディアとは別の視点からの鑑賞や評価の対象として共有する。
この「潜在性」とは、暮らしの中に垣間見られる知恵や工夫や驚きのようなものである。つまり、これからの社会をかたち作っていくためには、そういったとりとめもない暮らしの中での知恵や工夫や驚きがとても大切になるのではないか。
清水 貴夫 (著), 寺田 匡宏 (編)「ブルキナファソを喰う!アフリカ人類学者の西アフリカ「食」のガイド・ブック」 (叢書 地球のナラティブ)
あいり出版、2019年
“アフリカを胃袋で知る男”
アフリカ人類学者・清水貴夫が招待する
目くるめくブルキナファソと西アフリカの食の世界!
「清水さんのブルキナに対するきめ細かな観察力とブルキナの食に対する「愛」が伝わる一冊です。」ウスビ・サコ(京都精華大学 学長)
「この本を読んでいると、ブルキナファソ”世界でいちばんイケてる国”みたいな気がしてくる!(笑)」高野 秀行(ノンフィクション作家)
バニラの栽培と加工
6分30秒, 2019年
JICA Partnership Program By CSSH-SUA(COLLAGE OF SOCIAL SCIENCES AND HUMANITIES, SOKOINE UNIVERSITY OF AGRICULTURE), GEF(GLOBAL ENVIRONMENTAL FORUM, TOKYO) AND JICA(JAPAN INTERNATIONAL COOPERATION AGENCY)
映像制作:一般社団法人リビング・モンタージュ
撮影・編集:田中樹, 須田 征志, 澤崎 賢一
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