水野 啓、澤崎 賢一
バーチャル世界の食卓
Virtual Dining Table of the World

「食べること」は、生存の根源的な営みでありながら、食材や調理法、食べ方は国や風土によってさまざまで、そこから生まれる文化もまた多様です。そして人は「誰かと一緒に食事をする」ことで、お腹を満たすだけでなく人とのつながりや理解が生まれ、社会の基盤を築いてきました。恋人や家族、仲間たちと一緒に食べることの幸せは、人が人らしく生きることの核心かもしれません。

ここ数年のコロナ禍で旅をすることや皆で食事をすることに制約が課され、人びとはこのささやかな幸せを感じる機会を失ってきました。本企画は、出展作家がアジア、アフリカのフィールドワークをする中でとらえた「幸せな食卓」のシーンに囲まれながら、併設のキッチンでご用意した料理を食べていただく体験型展示です。料理に使う珍しい食材の販売も行っています。京都の一角で、世界を旅したり楽しい食卓に加わる気分を味わいながら、皆さん一人ひとりの「食べること」を考えていただく機会になることを願っています。

会期:2022年4月8日(金)〜5月8日(日) 11:30-21:00 ※水曜日は定休日
会場:Soco Kyoto 〒602-0862 京都府京都市上京区出水町260
入場料:500円
企画:水野 啓
キュレーション:澤崎 賢一
主催:一般社団法人リビング・モンタージュ
共催:Soco Kyoto
協賛:SOCOフーズ株式会社

水野 啓 Kei MIZUNO 【写真】
1964年神奈川生まれ、京都を拠点に活動。農学、環境学の研究者として30余年にわたりアジア・アフリカの農村を中心にフィールドワークを重ね、土地どちの環境や人びとの暮らしに焦点を当てた写真を撮り続けてきた。2020年10月に京都市内にギャラリー、ライブスペースを備えたバーSOCOを開業し、多くのアーティストやミュージシャンに創造と発信の機会を提供している。
https://soco-kyoto.com

澤崎 賢一 Kenichi SAWAZAKI 【映像】
アーティスト/映像作家。一般社団法人リビング・モンタージュ代表理事。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程修了。博士(美術)。ヨーロッパ・アジア・アフリカで、研究者や専⾨家たちのフィールド調査に同⾏し、映像/写真メディアの使い方を工夫しながら、他者との関係から新しい発見を生み出すための方法を探求している。また、映像メディアを活かした学際的活用の基盤となるプラットフォーム「暮らしのモンタージュ」を企画・運営する。近作に、多重層的ドキュメンタリー映画『#まなざしのかたち』(124分, 2021年, 東京ドキュメンタリー映画祭「長編コンペティション部門」選出)、ふくだぺろ・澤崎賢一・べ サンスンによる展覧会「語りあう/あわないイメージたち」(Tosei Kyoto Gallery, 2021年, KYOTOGRAPHIE KG+オフィシャルプログラム)、劇場公開映画『動いている庭』(85分, 2016年, 第8回恵比寿映像祭プレミア上映)など。
https://texsite.net/

撮影:水野啓

「バーチャル世界の食卓」会場の様子

展覧会「バーチャル世界の食卓」関連企画
多重層的ドキュメンタリー映画『#まなざしのかたち』(English subtitled) 上映会&トークイベント

★西アフリカの古代雑穀「フォニオ」を使ったスペシャルメニューも食べられます!

日時:2022年5月8日(日) 17:00上映スタート
会場:Soco Kyoto 〒602-0862 京都府京都市上京区出水町260
会費:2,000円
主催:一般社団法人リビング・モンタージュ
共催:Soco Kyoto
協賛:SOCOフーズ株式会社
トークイベント登壇者:
澤崎賢一(アーティスト/映像作家) × 清水貴夫(文化人類学者/京都精華大学 准教授)

「セネガルを喰う!ー西アフリカ・グルメ調査団が行く!」スペシャル・トークイベント

登壇者:池邉智基(日本植物燃料)、清水貴夫(京都精華大学)、星野未来(セネガル料理研究家)
司会進行:清水貴夫(京都精華大学)
日時:4月9日19:00~21:00
会場:soco kitchen & bar 〒602-0862 京都府京都市上京区出水町260
会費:現地参加 3,500円(セネガル料理+ワンドリンク付き)、Web参加 500円
主催:一般社団法人リビング・モンタージュ

星野 未来 Miku HOSHINO 【セネガル料理】
大学のゼミの校外実習でセネガルを訪問したことをきっかけにセネガルに興味を持ち、2013年より約1年間ゲジャワイにあるセネガル人家庭にてホームステイをしながら、ゲジャワイ県メディナゴナスにてフィールドワークを実施していた。滞在中は研究テーマとは異なるものの、各教団の巡礼祭に顔を出しては、裏方として料理の手伝いをひたすら行っていた。
大学院卒業後、日本留学に来ていたセネガル人と結婚したことをきっかけに自身でセネガル料理を作るようになった。現在は都内の某財団法人にてアフリカ地域を中心とした国際協力に携わるかたわら、セネガル料理の美味しさや魅力を伝えるためにInstagramにて@assy_snaとしてセネガル料理を紹介している。日々、日本でセネガル料理を研究し、セネガル人のお腹を満たしている。
Instagram:https://www.instagram.com/assy_sna/

「セネガルを喰う!ー西アフリカ・グルメ調査団が行く!」スペシャル・トークイベントの様子

関連テキスト

清水貴夫・池邉智基・星野未来
『セネガルを喰う!ーー西アフリカ・グルメ調査団が行く!』

あの「喰う!」が帰ってきた! 名著『ブルキナファソを喰う!』の著者・清水貴夫が、さらにパワーアップして”西アフリカ・グルメ調査団”を結成。セネガル料理の達人・星野未来と、コロナ禍のセネガルの現地で奮闘する池邉智基とともに、<美食の国>セネガルを中心に、西アフリカを食い尽くします! 現地セネガル並びに京都のキッチン・スタジオからの動画配信もあるかも!?