
ケニア
© Kenichi Sawazaki
アフリカやインドの半乾燥地を歩き回る中で、優れた在来農法や農具に出会いました(写真2)。インドの在来農耕は、数千年にもわたり多くの人口を支えてきました。西アフリカの半乾燥地では、「押しスキ」と呼ばれるとても素朴なつくりの農具が、脆弱な砂質土壌を壊すことなく、土壌水を保全し、肥沃度を維持することを知りました(写真3)。訪れる土地を学校に、そこに住まう人びとを先生とする様々な学びが私の研究の原点です。
写真2:インド中部・デカン高原、家畜が引く伝統犁による耕起作業
写真3:ニジェール南部、伝統農具での除草作業
人口増加と人間活動の拡大により、土地資源や生態環境が劣化するといわれています。これは「ヒトvs自然」や「問題発掘・問題解決」という二項対立的な認識や対処法につながります。それを参照しつつも、私は、別の可能性-「ヒトも自然も」や「潜在性発掘・活用・問題相殺」-を探りたいと考えています。
農学や開発学の研究に取り組む時、しばしば、「誰のために、何を、どのように」を自問します。社会実践につながる取り組みには、多くの人びととの暮らしや将来が関わるためです。また、私にとって、その道標(みちしるべ)は、社会的に弱い立場にある人びと(老齢者、寡婦、障がい者、少数民族、経済的貧困者など)です。簡単ではないことは承知していますが、このような人びとが参加できる取り組みのあり方を頭の片隅に置いています。
写真9:セネガル西部、村の子供たちに囲まれて
写真10:ベトナム中部・フエ市近郊、水上生活民の定住政策で貧困化した地区/放課後学習支援教室の黒板
写真11:ベトナム中部・ホイアン市、耳が聴こえない言葉が話せない若者が運営しているカフェ/研究をどう役立てればいいのか
2017年3月(第一巻)、2018年2月(第二巻)、2018年3月(第三巻)、2019年3月(第四巻)を刊行したエッセイの続巻です。
今回も、さまざまな専門分野をもち国内外のあちこちに出かけて、言葉をはじめ文化や習慣の違いに戸惑いながらも、そこに暮らす人々との関わりを大切にする研究者(執筆者)らの温かいまなざしに満ちた記事が集まりました。またフィールドワークにおいて撮影された数々の写真は、調査の様子や、そこにある生活風景、景観をリアルに伝えてくれます。研究の現場で触れた感性を読み手の皆さんと共有したいと思います。
2017年3月(第一巻)、2018年2月(第二巻)、2018年3月(第三巻)に刊行したエッセイの続巻です。今回も、さまざまな専門分野をもち国内外のあちこちに出かけて、そこに暮らす人びととの関わりを大切にする研究者(執筆者)らの温かいまなざしに満ちた記事が集まりました。研究の現場で触れた感性を読み手の皆さんと共有したいと思います。
2017年3月(第一巻)、2018年2月(第二巻)に刊行したエッセイの続巻です。プロジェクト研究に関わった方やアフリカやアジアのフィールドで出会った研究者らからの寄稿です。研究の現場で触れた感性を読み手の皆さんと共有したいと思います。
2017年3月に刊行したエッセイの第二弾です。アフリカやアジアの山や海や村落や都市でフィールド研究をしている研究者らが、食べ物、家畜、芸術、自然、生業(なりわい)、あそびなど十人十色な記事を書きました。そこには、風景や暮らしとのさまざまな出会いや発見、物語、想いがあります。そして、私たちは、このエッセイを、これらと読み手との新たな出会いの場と機会にしたいと考えています。
「フィールド」は、私たちにとって、学びの場と機会に満ちています。訪ねる土地は学校そのものです。そこに住まうお爺さんもお婆さんもおじさんもおばさんも、そしてこどもたちも私たちの先生です。アフリカやアジアのさまざまな土地で出会った人びとと交流する中で形づくられた発見や想いをエッセイとしてまとめました。
アフリカやアジアでのフィールド研究の際に撮った写真を気ままに持ち寄り、フォトエッセイをつくりました。それぞれのつながりは見えにくいですが、一つだけ共通するものがあります。それは、出会いです。私たちは、あちこちの村や街、畑や森や水辺を歩き、そこの風景、土や水、風、音、匂い、雰囲気とともに、人びとや暮らしの表情に出会いました。それを多くの方々と共有できればうれしく思います。
地球研プロジェクト「砂漠化をめぐる風と人と土」(研究期間2012年度~2017年度)が、タイの民間団体Eco-community Vigor Foundationと協働し、土と肥料に関するマンガ本「土と肥料の話」の多言語版(日本語、ベトナム語、インドネシア語)を作成しました。
映像作家の澤崎賢一が、ウェブマガジン「シネフィル」で、ケニアで田中の調査に同行した際の様子を綴っています。カメラマンの目線で、調査の様子や現地の人々の暮らしが綴られた記事です。